鎌倉大仏(高徳院)「礎石」
高徳院の境内には、大きな平たい岩がたくさん置かれています。
腰掛けにちょうどいい大きさなので、今や観光客のベンチ代わりとなってしまっているこの岩ですが、かつては高徳院にとってとても重要な役割を果たしていたのを、ご存知でしたか?
あの岩の正体は・・大仏殿の礎石!
実はこの岩、大仏殿の礎石(そせき)なんです!
現在は雨ざらしとなっている鎌倉大仏ですが、室町時代までは、奈良の大仏と同じように、大仏殿の中に鎮座し、屋根と壁に守られていました。
しかし、天災により大仏殿が倒壊し、その後は再建されませんでした。
鎌倉時代は鎌倉こそが国の中心であり、莫大な労力と資金を投じて完成した大仏でしたが、室町時代に入り、時の権力者たちに見放されてしまったということでしょうか。
礎石はどこに何個ある?(数・場所)
さて、この礎石はもともと60基あったとされていますが、現在残っているのは56基となっています。
高徳院の仁王門をくぐったところから、大仏像の後ろ側に至る木々が植わっているところや、大仏像の周りに点在しています。
大きな岩がたくさんあるので、気を付けていればすぐにわかりますよ。
礎石を見ながら、今は失われてしまった大仏殿の大きさや豪華さを想像してみると面白いですね。
ちなみに高徳院の歴史については史料が十分に残っておらず、大仏殿がいつ失われたのかや、何が原因だったかは、諸説ありはっきりしていません。
おわりに・・
これまではベンチだと思っていたあなたも、次回の参拝の際には、「これは実は大仏殿の礎石でね・・」と、高徳院の歴史を語れますね!
新しい知識を携えて、鎌倉のシンボル鎌倉大仏(高徳院)訪問を、ぜひ満喫してください!
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