高徳院・銅造阿弥陀如来坐像(通称・鎌倉大仏)【国宝】
「鎌倉大仏」というのは、「奈良の大仏」に対する通称であり、正式には「銅造阿弥陀如来坐像」と言います。
この大仏は高徳院という浄土宗寺院のご本尊です。
長い歴史があり、知名度も高い鎌倉の大仏は、奈良の大仏と並び称される日本の代表的な大仏です。
また、鎌倉の仏像の中では唯一、国宝に指定されている、貴重な文化財でもあるんです!
項・一覧
- 1 高徳院・銅造阿弥陀如来坐像(通称・鎌倉大仏)【国宝】
- 2 鎌倉大仏の大きさ(高さ)など
- 3 鎌倉大仏さんの直立した時の高さ何mになる??
- 4 鎌倉大仏の大きさ(高さ)を何かに例えた場合
- 5 大仏さんの高さをあの人と比較!
- 6 高さが由来となった「鎌倉大仏の別名」とは?
- 7 ところで・・鎌倉大仏さんのご利益は?
- 8 鎌倉大仏の特徴
- 9 大仏の身体に見られる七本の横線(筋)はなに?
- 10 鎌倉大仏は猫背姿をしている?その理由とは?
- 11 鎌倉大仏は遠近法を用いて造立された??
- 12 背中の窓は何のために作られた?開いている理由とは?
- 13 さらに、えぇっ?!鎌倉大仏は中国銭で造立されていた?!ホント??
- 14 関連記事一覧
鎌倉大仏の大きさ(高さ)など
造立年
- 不明
- 推定:1243年(寛元元年)※鎌倉時代中期
像高(仏像のみの高さ)
- 11.312m
台座
- 2.05m
台座を含む高さ
- 13.39m(尺貫法では約4丈)
顔の長さ
- 2.35m
目の長さ
- 1.00m
眉毛の長さ
- 1.24m
口の長さ
- 0.82m
耳の長さ
- 1.90m
親指まわりの長さ
- 0.85m
白毫(びゃくごう)の直径・高さ
- 直径0.18m
- 高さ(前に飛び出た長さ0.15m)
白毫とは、眉間にある丸い部分で、本来は渦巻型の白い毛です。
螺髪(らほつ)の直径(横の長さ)
- 0.24m
螺髪とは、仏像の頭の突起で、渦巻型をしています。
1体の仏像の螺髪は、すべて同じ大きさです。
螺髪の高さ
- 0.18m
螺髪の数
- 656個
膝間の長さ
- 9.10m
仏像の重さ
- 121 t
国宝指定登録年月日
- 1958年(昭和33年)2月8日
国の史跡登録年月日
- 2004年(平成16年)2月27日
※史跡名は「鎌倉大仏殿跡」
鎌倉大仏さんの直立した時の高さ何mになる??
座高:11.312m
膝下:4.55m
腿:4.0m
合計:約19.862m
大仏さんの膝下の長さは9.10m。腿は膝下より短いことを想定。(黄金比は5対3)
なお、坐像が立った時の身長を算出する場合、単純に像高を2倍にすると立ち姿の時の高さになるらしい。
鎌倉大仏の大きさ(高さ)を何かに例えた場合
直立した高さの場合:(約19.862m)
- ビル:およそ7階〜8階に相当
- マンション:6階〜7階に相当(1階部分を約3mで計算)
坐像の高さの場合(11.312m)
- ビル:およそ7階〜8階に相当
- マンション:6階〜7階に相当(1階部分を約3mで計算)
- 電柱:約1本分
- 路線バス:約1台分(全長)
釈尊(釈迦)の身長は4.8m
高さ1丈6尺(約4.8m)の立ち姿の仏像を「丈六仏(じょうろくぶつ)」とも呼ぶ。
実はこれには由来があり、なんでも仏教の開祖である釈尊(お釈迦様)の身長が1丈6尺あった伝承に因むものであり、坐像の場合はその半分の高さである8尺(約2.4m)が「丈六仏」となる。
大仏さんの高さをあの人と比較!
大仏さんの身長を、大きい人と比較したい!‥‥‥大きい人?‥‥‥巨人?
‥‥‥ウルトラマン!キタぁ!シュわっち!
‥‥‥はぃ。‥ということで勝手にウルトラマンと比較してみます。…ふぅ
実はウルトラマンの身長はキャラクターごとに異り、概ね40m~60mほどなのですが、中には身長80mのウルトラマンもいます。
一番小さい初代、ウルトラマンセブン、ウルトラマンエースなどの身長は40mということなので・・
- 奈良大仏の身長(10丈):ウルトラマンよりも約10.0m低い
- 鎌倉大仏の身長:ウルトラマンよりも約17.4m低い
という結果でした。
高さが由来となった「鎌倉大仏の別名」とは?
鎌倉大仏は正式名を「銅造阿弥陀如来坐像」と言いますが、ほかにも「8丈大仏(はちじょうだいぶつ)」とも呼ばれた歴史がある。
これは奈良の大仏さんの「10丈大仏」を基準として「8丈大仏」と呼びなわらしたものとされる。
「8丈」には大きな意味合いがあった!
鎌倉時代仏が「8丈大仏」と呼ばれた理由は奥深いものがあり、「八」の数字は鎌倉武士(坂東武者)たちにとっては、かけがえのない数字だった。
坂東武者が信仰を寄せた鶴岡八幡宮の「八」。八幡宮の八は主祭神である八幡神を示し、その神使である神鳩にも通じる。
それゆえ坂東武者たちは縁起の良さを担ぐ意味合いで八の数字と大仏の有り様にコダワリを入魂し、「八丈大仏」と叫んだ‥ではなく、呼んだ!と伝わる。
ところで・・鎌倉大仏さんのご利益は?
阿弥陀如来は、仏の教えを信じ、南無阿弥陀仏の念仏を唱えた人に、来世の極楽往生を約束してくださる仏さまです。
鎌倉大仏の手の組み方(印相)は平易に「阿弥陀定印」や「禅定印」、密教では「法界定印」などと称し、他に「上品上生印(じょうぼんじょうしょういん)」とも呼ばれる。
この印相の阿弥陀如来は人々を救済するため深い瞑想中にある姿とされ、特に立ち姿の来迎印(らいごういん)をとる阿弥陀如来は善行に励み、”功徳”をまるで女性を”口説く”かの如く積み重ねた人が死す時に迎えに来てくださる(これを”来迎”という)如来さまだと言われます。…その度合いが知りてぇよ!
以上、鎌倉大仏にお参りしたことによるご利益としては「極楽往生」で、転じて「健康長寿」などとも言われる。
また、阿弥陀如来を信仰することで現世と来世(あの世)の両世において安楽を得られる「二世安楽(にせいあんらく)」の利益があるとされる。
鎌倉大仏の特徴
阿弥陀如来は、浄土宗や浄土真宗の本尊で、念仏を唱え精進する者は極楽往生できるという教えを説く仏さまです。
華厳宗の盧舎那仏(るしゃなぶつ)である奈良の大仏とは、印相(いんそう)と呼ばれる手の組み方が違うのがわかるでしょう。
この印相こそが鎌倉大仏が「阿弥陀如来」であることを位置づける決定的な証ともいえます。
材質は青銅で、像が造られた当初、表面は金箔で覆われていました。
体は7段、頭は前が5段、後ろが6段に分けて鋳造されており、像の外からでも中からでも、継ぎ目を確認することができます。
髪(螺髪/らほつ)の特徴
大仏の頭髪は巻毛状態(螺髪/らほつ)になっています。仏には毛上向相(もうじょうこうそう)と呼ばれる相があります。
意味は全身の毛という毛の先端がすべて上になびき、右に巻いています。この様相を俯瞰し、命名されたのが「螺髪」という呼称です。
ちなみに鎌倉大仏の螺髪は合計656個あります。ウフ
頭の特徴(肉髻/にっけい)
大仏の頭には螺髪の他に、肉髻(にっけい)と呼ばれる、螺髪より大きく突き出た突起が1つあります。
もっと分かりやすくいうと頭の頂上にある飛び出た部分です。
これら仏には三十二相において「頂肉髪相(頂髻相)」があるとされており、仏のみが備えた特徴の1つです。
釈迦如来像を始め、如来像に表されることが多く、悟りを開いた、超人的な者の象徴とされています。
ただ、鎌倉大仏の肉髻は、平たいのが特徴です。
顔の形状の特徴
顔の特徴として四方に向けてやや直角気味に造像されています。
このように身体に比べて頭が大きめなのは、鎌倉時代に流行した仏像の特徴です。
さらに肉付きが良く、お肉プヨプヨ♥タプタプぅ♥・・感、満載!で造像されています。
このような造像方法は、日本独自のものではなく中国・宋からもたらされた造像方法ではないか?・・と、いった可能性も示唆されています。
「可能性が示唆される」とはどう言うことかといいますと、この阿弥陀如来坐像に関しての古文書・資料などはすべて紛失されており、造立年、造立された目的、発願者、当初からこの場所にあったのか?・・などが一切、不明となっています。
ただ、ここで宋の造像方法が浮き彫りになってくると面白い景色が見えてきます。
面白い景色とは「奈良 東大寺の大仏と繋がり」です。東大寺の大仏には中国の技師が造像に携わっています。
しかしまぁ、大きく誰の目にもつく大仏であるのに、謎に包まれているというのも、なんとも滑稽なお話で口にし難いほど興味がそそられます。そうめん食べたい
白毫相(びゃくこうそう)※眉間
頭の螺髪や額の白毫は、本来は渦巻状の「毛」なので、よく見ると渦模様が付いています。
この渦巻きの毛は「右巻き」になっており、かためられています。これを伸ばすと1丈5尺(約4.5メートル)あるとされています。鎌倉大仏の白毫は白銀製です。
高いところに付いていますので肉眼で確認するのは少々、困難です。ポケットグラス(望遠鏡)やカメラのズーム機能などを使って見てみてください。
眉毛の特徴
鎌倉大仏の眉毛は半月状で造立されています。仏の八十種好においては、眉毛は長いとだけあります。
目の特徴
大仏の目は水平で参拝者と目が合うように目は下向き状の伏し目になっています。(奈良大仏は遠方を見つめているので目が合わない)
仏の三十二相において「眼」については「真青眠相(しんしょうがんそう)」です。
真青とは、青蓮華(青色の蓮華)のように仏の目が青いことを意味します。
耳の特徴
頭部の長さの半分ほどある長い耳は、鎌倉大仏の特徴の1つです。
耳の穴のようなくぼみがある耳たぶは俗に福耳と呼ばれるものです。仏の八十種好で紹介されるものです。
仏の好相は耳については特に述べられていません。
鼻の特徴
仏には80種類もの好相があるとされ、大仏像の鼻筋も額から通っており、鼻孔はあるが直下から見上げないと見えなくなっている。
⬆️鼻毛は飛び出してい‥‥ない!ヨシGO〜!
また、正面から鼻の穴が見えないような鼻の形は仏の特徴とされます。
喉(のど)の特徴
喉(のど)には如来の特徴である「三道」と呼ばれる3本のくびれがあり、如来が悟りを得るまでの3つの段階を表しています。
口の特徴
離れて見ると、大仏の口は少々スケベったれな半笑い(微笑み)を浮かべているように見えますが、この半笑ぃは外国人(特に欧米人)から「東洋の微笑」とも呼ばれ讃えられています。
⬆️微笑んでるか?口を閉ざしているので近くで見ると微笑んでいるように見えない。
口ヒゲ
鎌倉大仏の口元を凝視すると、ヒゲが口元に生えており、風説では鎌倉大仏の特徴として語られているようですが、これは大きな間違いで鎌倉時代以降に造立された仏像であれば口元におヒゲが付けられていることが多いです。
鎌倉大仏のおヒゲの長さ
- 0.82m
手の特徴・印相
鎌倉大仏は、手を膝の上に置き、親指から中指までを合わせて輪を作っています。
これは、「上品上生印(じょうぼんじょうしょういん)」と呼ばれる印相で、阿弥陀仏の9種類ある印相「九品来迎印(くぼんらいごういん)」のなかでも最上格の印相とされてい‥‥‥申す。インショゥァっ(”印相”を表現)
ちょっと大仏が組む印相をよくご覧になってみてください。人差し指が変形しており、人差し指の上に親指が乗っていないことになります。すなわち正しく印が組まれていないことになります。
一説では「この変形のために御堂が建てられなかった」という俗説まであるようです。
上品上生印とは?
上品上生印とは阿弥陀が組む印相(九品)の最上の印相のことです。
この大仏は慈悲と智慧の象徴たる瞑想像として造立されています。
阿弥陀如来の「九品来迎印」
上品上生(最上)
上品中生
上品下生
中品上生
中品中生
中品下生
下品上生
下品中生
下品下生(最下)
阿弥陀如来に崇敬を寄せることで、死後、上記のいずれかの印相をした阿弥陀如来が迎えに来てくださると云われております。
これらは自らの人生における口説く‥‥おっと、「功徳」!!の、度合いによるものだと云われております。…ふぅ
縵網相(まんもうそう)
縵網相(まんもうそう)とは「水かき」のことです、手を組んでしまっているのでよく見えませんが、仏さまの特徴である、縵網相という指の間の水かき状のものもあります。
よく見ると大仏の人差し指と親指の間を見れば狭くなっているのが分かりますが、これが水かきなのでしょう。
身体全体の特徴
ちょぃと上掲写真をご覧くだせぇ。ハぁフぅ。
肩幅が広く、下半身が小さく見えませんかぇ?
実は仏像の相には「身広長等相(しんこうじょうとうそう)」という特徴があり、体躯のタテ寸、ヨコ寸、左右寸、上下寸は長さが等しいのが理想とされています。
しかしながら、この鎌倉大仏のように長さが等しく美姿の仏像は、ほぼ皆無とされるのが実情とされる。
大仏の身体に見られる七本の横線(筋)はなに?
実は大仏さんの身体には下掲写真に見られるような横線が入っているのが視認できる。
でや、コレなんやと思う?
実はこれ大仏を作った後の痕跡になる。
鎌倉大仏も奈良大仏と同様の手法や手順で制作されていると考えられており、然るに下(台座部分)から造立しはじめ、頭部を最後に作る。
造立する際には大仏の鋳型を制作して、その鋳型に青銅を素敵に流し込む。
そして一段目が終われば次に二段目‥三段目‥四段目‥というように上へ上へと上がっていくことになるものの、鋳型のつなぎめ痕はどうしても素敵に残ってしまぅ。
まとめるとこの七段が意味するのは鎌倉大仏の造立方法を示す論拠となるべきものであり、はたまた造立された事実を素敵に物語るものでもある。
鎌倉大仏は猫背姿をしている?その理由とは?
上述したようにこの大仏はかつては大仏殿という堂舎にて奉安されていたことから、参拝の折、参拝者が見上げて参拝することを想定して造立されています。
したがって、下向きの目線もそうですが、座る姿勢もやや前のめりの、いわゆる「猫背」姿で造立されています。
鎌倉大仏は遠近法を用いて造立された??
上述したようにこの鎌倉大仏は上体(上半身)が下半身よりも幅広で造立されています。
中でも頭部は身体全体を俯瞰してみても割合的に大きく作られており、それに加え、座高が通例の約4分の一短い分量で造立されています。
全体的な形状としてはやや不均等と言えます。一説には遠近法を採り入れて造立されたと考えられています。
鎌倉時代に造立されたものが今日に見られる鎌倉大仏であるならば、相当、腕利きの仏師だったのでしょう。オホ
背中の窓は何のために作られた?開いている理由とは?
鎌倉大仏の背中には、2つの窓が開いています。
これは大仏を鋳造する際、中に残った土や型を取り出すためのものでした。
結果的に、現在は胎内拝観をする人のための明かり窓のような働きをしています。
胎内拝観に関して詳しくは、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。
さらに、えぇっ?!鎌倉大仏は中国銭で造立されていた?!ホント??
実は、こんな話があります。
「鎌倉大仏は中国の小銭を溶かして鋳造された」と・・。えぇっ?!
話は変わって、日本にはもう1つ有名な大仏があります。
どこだかお分かりですね?
まさか知らないとは言わせませんよ。
知らないといったら・・コチョコチョします!..コチョコチョ.コチョコチョ..コチョ?
はい。 と、言うわけでその大仏とは・・そうです。
「奈良・東大寺の大仏」です。
東大寺の大仏は日本中で材料が集められて造像されています。
しかしなんと!この鎌倉大仏に関しては、「中国の小銭が使用された形跡が残っている」のです。
その根拠とは、なんと!奈良大仏と鎌倉大仏に使用された材料を分析した結果になります。
奈良・東大寺の大仏さんには「鉛が1%程度」混合されていたことが明らかにされました。
しかしなんと!鎌倉大仏の方は「鉛の混合率が10%以上」もあることが明らかにされています。
鎌倉大仏に鉛が使用された深い理由とは
実は日本は平安期の末期、銅が採掘できなかったようです。
そこで中国から銅を仕入れたのではなく、銅銭(通過)を買い取っていたそうなのです。
現にこの頃の日本の通過は銅貨から鉛を使用した硬化へ変わっています。
一部、銅貨も使用されていたようですが、硬化が小さくなっています。
このようにして、時代背景を汲み取ることで面白い事実が浮き彫りになってきます。
ご興味の湧いた方は、是非!奈良と鎌倉の双方へ訪れて表面を見比べてみてください。
まぁ、表面だけみて違いが分かるのかは不明ですが。オホ比較できた!!
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