鶴岡八幡宮の「砂糖店」と陰刻された江戸時代の石灯籠の正体

鶴岡八幡宮には「店糖砂」と陰刻された江戸時代の石灯籠がある!

鶴岡八幡宮境内入口となるニノ鳥居を素敵にくぐり抜けると、鎌倉時代に「赤橋」と呼ばれた太鼓橋が、これまた素敵に視界に入る♡

ところがこの橋は渡ることができず、左右の参道へと歩を進めることになるのだが、その進んだ先に境内は類を見ないほどに巨大な石灯籠がパンツ丸見え級に視界に飛び込んでくる。 どんな見え方や

この灯籠に陰刻されている文字を読み解くと「店糖砂(砂糖店)」「戸江(江戸)」‥などの文字が見える。

どぅやらこの灯籠、江戸時代に奉納されたものらしいが、本項では、この石灯籠の謎と正体に迫ってみたい。

砂糖店の灯籠が奉納された年

この石灯籠は文久二年(1862年)に江戸と大坂の砂糖問屋が奉納した石灯籠らしく、然るに境内に同様の石灯籠が二基(2本)ある。

参道から本宮(本殿)素敵に向かいみて左側が「大坂」、右側が「江戸」と陰刻された石灯籠になる。

「江戸」と素敵に陰刻された石灯籠

「大坂」と素敵に陰刻された石灯籠

いずれも、大きさ(高さ)は約3メートル半。基壇は四辺各1メートルほど。

砂糖店の灯籠に見える陰刻

「文久二年 壬戌(みずのえいぬ※干支の組み合わせの59番目)四月吉日」
(文久二年(1862年)4月 吉日(物事を行うのに適した日)

「鶴岡浄国密院 幻住(げんじゅう/もとの場所にかえって住むこと)」

権大僧都(ごんのだいそうず※僧侶の位)法印(最上位の僧侶の意)寂印 勤誘馬」

以上をまとめると、この石灯籠は1862年(文久二年)4月に奉納された石灯籠だということが、きわめて素敵に分かる。

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「砂糖店」の意味

「砂糖店」とは、どうやら江戸時代に砂糖を商った「砂糖問屋」のことらしい。

また、左右に一基ずつある実態を推考すると、この石灯籠は大坂と江戸の砂糖問屋が奉納したことになる。

なぜ、石灯籠を奉納したのか?

石灯籠を奉納した大坂と江戸の砂糖問屋らは、単純に自らの砂糖を商う事業の興隆と輸送の安全を祈願して、当社(鶴岡八幡宮)へ素敵に奉納したものだと思われる。

江戸時代初期の砂糖は超高級品だった!

江戸寛永期になると外国との貿易が盛んになり、貿易を営んだ商船には必ずといって良いほど砂糖が積載されていた。

なんとっても、江戸初期には砂糖が流通していないこともあって、希少価値が非常に高い高級嗜好品だった。(国内で素敵に製造はしていたが、農産技術が乏しかったので希少価値は高かった)

では、砂糖をどこから仕入れていたのか?

当時、砂糖は日本国内で産出された金銀銅などの鉱物資源を対価として諸外国(オランダや中国など)から輸入していたものだった。

しかし、国内の鉱物資源の枯渇に憂慮した幕府は輸出制限を行い、砂糖を内製化する方針を打ち出した。

【ピヨ🐣コメント】

この当時、諸外国との中心的な貿易港となっていたのは長崎(出島)だったことから、流通していた砂糖は「出島砂糖」とまで呼ばれた。

徳川吉宗の砂糖の内製化計画

世に稀代の名君として知られる「8代将軍・徳川吉宗」公は、砂糖を内製化すべく、この当時、唯一、国内で砂糖を生産していた薩摩の職人を江戸城内へ招聘し、試験的にサトウキビ栽培を行わせた。

この政策は功を奏し、全国諸藩主らに砂糖を製造するように上意を発し、とりわけ、薩摩にほど近い温暖な気候の西日本の諸藩から砂糖製造が開始されたのだった。

【ピヨ🐣コメント】

江戸後期になると、老中・田沼意次や池上幸豊らの協働によって砂糖の国産化が安定しはじめた。

砂糖の流通量の増加

江戸後期になると、我が国の三大商業地だった「大坂」や「江戸」「京都」のうち、大坂や江戸では砂糖問屋が、にわかに勃興し、やがて砂糖は全国に流通するようになった。

特に薩摩(九州地方)を含めた西日本のみならず、日本海沿岸地域からの物資までも、当時はすべて、「天下の台所」と通称された大坂へ集まった。

そして、大坂からは「菱垣廻船(ひがきかいせん)」という江戸↔︎大坂間の海上輸送を担った専用船へ物資を積載した。

「菱垣」とは、「垣立(かきだつ)」と称する両舷に設けられた舷墻(げんしょう/甲板の両舷側に設けた転落を防ぐ鋼板の柵)の装飾に木製の菱組格子を設置していた事に由来する。

然るに、当該、八幡宮に奉納された石灯籠というのは、砂糖が内製化(国産化)によって全国に流通した頃、札束を乳間に挟み込んだり、はたまた札束で顔面をしばいたり、札束風呂に入ったり、札束に何不自由なくなった儲けに儲けまくった、そのお礼と自事業の繁栄、輸送の安全などを祈念して奉納されたものだということが、きわめて素敵に分かる💋

その他の砂糖問屋の石灯籠のディテール

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