鶴岡八幡宮「舞殿(下拝殿)」

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鶴岡八幡宮「舞殿(下拝殿)」

読み方

まいでん

造営年

1193年(建久4年/鎌倉時代前期)

再建年

1933年(昭和8年)

建築様式(造り)

入母屋造(正面背面唐破風屋根付属)・前面向拝付属

屋根の造り

銅葺き

建築様式(造り)

入母屋造

鶴岡八幡宮「舞殿」の歴史・由来

舞殿は、本宮がある石段の下にあるので、「下拝殿(しもはいでん)」とも呼ばれています。

舞殿がある場所には、かつて、若宮の大きな廻廊がありましたが、1191年(建久二年)3月の鎌倉大火によって焼失してしまいました。

しかし源頼朝がすぐに再建にとりかかり、2年後には現在の舞殿が完成しています。

また、この舞殿を向かい見て右脇に見える社務所のあたりには、江戸時代に仁王門が建っていましたが、現在は見ての通りすでに姿形すらありません。しかしながら内部に安置されていた仁王像は鎌倉五山の一角・「寿福寺(じゅふくじ)」の本堂で安置されています。

現在見ることのできる社殿は1923年の関東大震災で倒壊した社殿を1933年(昭和8年)に再建したときの姿です。

鎌倉・鶴岡八幡宮「舞殿」と「静の舞」

舞殿は、2月の節分祭、5月の菖蒲祭、7月の七夕祭など、鶴岡八幡宮で行われる多くの行事で、祈祷が行われたり、舞や雅楽が奉納・奉奏されたりする場所です。

中でも有名なのが、4月の第2日曜日に開催されるかまくら祭の際に披露される、「静の舞」です。

静(静御前)って誰?

静(静御前)は、「牛若丸」としても知られる、源義経の愛妾(あいしょう)です。

京の白拍子(しらびょうし)で、舞の名手でした。

白拍子とは男装をして今様歌などを謡いながら舞う人のことです。

義経に気に入られて妾となり、1185年(文治元年)、兄の源頼朝と不仲になった義経が追手から逃れるため九州に向かう際にも同行しました。

しかし途中で義経が行く先を心配し、ふたりは吉野で別れ、静は京都へ帰されます。

そして京都へ向かう道中で静は捕らえられ、母の磯禅師(いそのぜんじ)と共に鎌倉に送られてしまいました。

この時静は既に、義経との間の子どもを身ごもっていました。

静の舞とは?

鎌倉に送られた静は、1186年(文治二年)4月、源頼朝・北条政子夫妻の求めに応えて、鶴岡八幡宮で舞を披露することになりました。

静にとって、愛する人の命を狙っている頼朝の求めに応じるのは非常に屈辱的なことなので、しばらくは拒否していましたが、とうとう断り切れなくなったようです。

舞台は若宮の廻廊で、現在舞殿が建っている場所だったと言われています。

静はそこで、以下のように謡いました。

吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき

しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな

吉野の山で別れた人が恋しい、

静、静と繰り返し呼んでくれた人と穏やかに暮らした過去が戻ってくれば良いのに、という内容です。

静の美しい踊りと歌は、見ていた者を感動させましたが、名前を出さなくとも、頼朝に逆らった義経について謡ったということは明白です。

幕府の繁栄を祈願する歌を期待した頼朝はもちろん怒りましたが、妻の政子は静の思いを理解し、「私が彼女と同じ状況だったとしても、このように謡うでしょう」と言って静をかばったといいます。

この時の静を偲び、かまくら祭の際に鶴岡八幡宮の舞殿で披露されるのが「静の舞」です。

静のその後

頼朝の怒りを買ったものの、政子の執り成しもあり事なきを得た静には、褒美まで与えられたとも言われています。

その後は住居をあてがわれて暮らしましたが、とうとう身ごもっていた子を出産します。

愛する義経との間の子どもでしたが、男児だったために取り上げられ、由比ヶ浜の海に沈めて殺されてしまいました。

頼朝からすると、今や敵となった弟、義経の息子を生かしておくわけにはいかなかったのです。

静は失意の中京都に帰されますが、その後の行方はわかっておらず、何歳まで生きてどこで亡くなったのかもわかりません。

静の最期の地と伝えられる場所は何か所かあり、その1つが福島県郡山市です。

鶴岡八幡宮の流鏑馬馬場には、郡山市から移植された「静桜」があります。


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鎌倉・鶴岡八幡宮「舞殿」の建築様式(造り)・特徴

舞殿の造りは、よく「入母屋造・唐破風」と説明されます。

この理由はこの建造物の外観を見れば一目瞭然で理解できますが、正面からみて正面と背面に唐破風屋根が1枚ずつ付属され、左右側面に1枚ずつ入母屋屋根の特徴とも言える妻が見えます。

妻の上部には拝み合う合掌型の装飾板である破風が見え、ちょうど合掌して合わさった部分には黒を基調として周囲を面取りし、金の塗装が施された「懸魚(けぎょ)」が見えます。まるで日光の大猷院を彷彿とさせる様式です。

入母屋造とは?

入母屋造(いりもやづくり)とは、屋根の上部には2方向、下部には4方向に斜面がある屋根を持つ建物の造りで、寺院や神社、城郭の、重要な建物には特に多い形です。

⬆️入母屋造の社殿と前面に拝殿とも言える大きな向拝が付属

向拝とは?「舞殿に賽銭箱が置かれている理由」

また舞殿には大きな向拝(こうはい・ごはい)と呼ばれる庇(ひさし)がついています。

向拝は、参拝者が礼拝する場所の屋根になります。

通常、この向拝の下に賽銭箱が置いてあり、私たちはそこまで立ち入ることができます。

舞殿は四方が吹き放ちとなっており、正面を向けば本殿(本宮)前の楼門までを見通すことができます。つまり、この位置から本殿を遥拝(ようはい)できるというワケです。ウフ

唐破風とは?

また、舞殿を正面から見た時に、大きく弧を描いたような曲線の屋根を唐破風(からはふ)と言います。

⬆️厳密には「いばら垂木」が疎らに組まれて唐破風を構成している

唐破風は、屋根の後ろ側にもあります。

唐破風の中心と、屋根の左右の妻の部分には、金色の破風飾りや妻飾りもついており、朱塗りの建物にアクセントを添えています。

「いばら垂木」

ちょっと輪垂木は中央部分に着目してみてください。ポチッと盛りがっていませんか?これは「いばら垂木」と呼ばれるものです。

いばら垂木は、ポチっ‥がない輪垂木(わだるき)よりも加工に手間がかかる分、正面から見たときの装飾美は圧巻です。

⬆️舞殿を後方(本宮)からみた外観。向拝のいばら垂木の壮観は見事!蟇股の極彩色の装飾にも注目!

舞殿の鏡天井のデザイン

舞殿の大きな見どころとして、殿舎内部の鏡天井に描かれたデザインが圧巻です。

黒を基調としてマス目を表現したような十字型の金色の絵柄が見事。

中央、貫(ぬき)の上部に出三斗の詰め組みを用い、両サイドには間斗束を配して木鼻を用いないなど、和洋折衷(ようせっちゅうけんちく)とした意匠にも注目。手前の緑色が映える御簾(みす)のデザインにも目がいってしまう。ウっふ〜ん

注連縄

出雲大社の注連縄(しめなわ)に比べると見栄えは少し貧相ですが、正面に見える注連縄も目を引きます。

直径約15㎝、長さ約5メートルの藁(わら)の束を大人34人がかりで撚り合わせて1本の図太い注連縄へ仕上げていきます。作業期間はおよそ2日間。重労働です。

現在、注連縄の材料となる藁(わら)が採れない理由から、相模原市城山町川尻に位置する「川尻八幡宮」が鶴岡八幡宮の注連縄作りを請け負い、自社の注連縄と共に仕上げています。

鶴岡八幡宮へは現在、6本の注連縄が送られますが、この中でも最大の大きさを持つ注連縄がイチョウの木に巻かれる注連縄です。サイズは、太さ約30㎝、長さ約12メートルもあります。

鶴岡八幡宮へ起こしの際はぜひ!イチョウの木もご覧になってみてください。

舞殿は壁がない!

壁がないというのも、舞殿の特徴の1つです。

したがって内部には通常は何も置かず、祭事の際にはその都度準備を整えています。

鎌倉・鶴岡八幡宮「舞殿」で結婚式ができる!?

鶴岡八幡宮では神前結婚式を挙げることができ、その式場となるのが、舞殿です。

壁に囲まれていない開放的な舞殿で、参列者と一般の参拝者に見守られながら、伝統的で厳かな式が叶います。

日の入りの時刻に、かがり火が焚かれる中で執り行われる1日1組限定の「幸あかり挙式」も素敵です。

説明会やブライダルフェアもあるので、気になった方はホームページで日程をチェックしてみてくださいね。

挙式の費用

初穂料20万円(幸あかり挙式25万円)

申込方法

ホームページから仮予約し、10日以内に来社して本予約

鶴岡八幡宮ホームページ(神前結婚式)

https://www.hachimangu.or.jp/wedding/index.asp

鎌倉・鶴岡八幡宮「舞殿」の場所(地図)

本宮に続く大石段の下に立つ朱塗りの建物が舞殿です。

三ノ鳥居から鶴岡八幡宮境内に入り、ひたすらまっすぐ歩くと、正面に見えてきます。

おわりに・・

静御前の有名な物語を背景に持つ美しい舞殿は、鶴岡八幡宮のハイライトの1つです。

祭事が行われている時はもちろん、何もない状態でも、ぜひゆっくりと見てみてくださいね。

鶴岡八幡宮の拝観情報や回り方の詳細は、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

関連記事: 鎌倉・鶴岡八幡宮の拝観時間(営業時間/開門・閉門時間)・拝観料金(割引情報)・境内地図・回り方

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