江の島灯台(初代)
- 灯質:単式白光(毎10秒に1閃光)
- 灯高:平均水面上97.5 m
- 実行光度:440000カンデラ(3等級では日本最大)※3等級=民間灯台のこと。オホ
- 光達距離:46㎞(3等級では日本最大)
- 光達:25.5海里
- 燭光数:80万
- 明弧:全度
- 構造:白塗三角やぐら形
- 礎上高:37.5 m
- 看守の有無:無看守(無人)
- 位置:北緯35度17分46.5秒東経139度28分56秒
- 設置期間:昭和26年3月25日〜平成14年12月31日
- 高さ:53.7m(海抜113.7m)/平均水面上から灯火まで:103.0m
1951年(昭和26年)3月25日、江の島山頂に広がる「江の島植物園」に灯台が設置される!
江の島山頂に灯台が設置された理由
江の島山頂に灯台が設置された理由は、海難事故を回避するために相模湾に浮かぶ、この江の島が適地とされたのでしょう。
江ノ電の公式サイトによれば、「公益的観光施設の充実を図るため」「この灯台の竣工をもって観光事業参入の第一歩とした」ともあります。
初代の江の島灯台は移築されたものだった?!
なんと!初代の江の島灯台は当初からこの江の島に建てられたものではなく、読売遊園(東京都世田谷区/のちの”二子玉川園”)にあった「落下傘訓練塔(パラシュート降下練習塔)」という訓練具でした。
戦時中はこの練習塔てに陸軍がパラシュートの降下訓練に使用したことから、この名前が付されています。
移築された後、この灯台は「江の島鎌倉観光(のちの江ノ島電鉄)」が運営権を掌握し、名称を「読売平和塔」としています。
「読売平和塔」と命名した理由は、読売新聞社と宣伝に関するバーター契約を結んでいたからです。
※バーターとは、金銭を介在させず物々交換やサービスと商品を交換すること
現在は藤沢市も運営者に加わり共同運営していますが、当初は民間会社が運営する民間灯台として機能してたことになり申す。
1964年(昭和39年)に藤沢市の所管となる!
1964年(昭和39年)になると灯台の足元に広がる「江の島植物園」が藤沢市の所管となり申す。
1976年(昭和51年)12月18日
等級および灯質の変更が行われる。
無等級、毎20秒に1閃の電灯へ一時変更。
1980年(昭和55年)11月5日
一時等級および灯質の変更が行われる。位置などが補正される。
所在地:北緯35度17分47秒東経139度28分55秒、光達距離:25.5 海里、高さ:地上から構造物の頂部まで46 m・平均水面上から灯火まで103 m。
1982年(昭和57年)11月16日
灯質の変更が行われる。
光度:6,400 カンデラ 、光達距離19.5 海里、高さ:地上から構造物の頂部まで46 m・平均水面上から灯火まで98 メートル。
等級および灯質の変更が行われる。
無等・閃白光・毎10秒に1閃光・電灯。
1983年(昭和58年)1月26日
一時、光度等変更中のところ等級および灯質を変更のうえ復旧する。無等・閃白光・毎10秒に1閃光・電灯。
2002年(平成14年)4月1日
位置・等級・灯質の変更が行われる。
位置:北緯35度17分59秒 東経139度28分43秒、
灯質:単閃白光・毎10秒に1閃光、光度:実効光度44万 カンデラ、光達距離:23 海里。
2002年(平成14年)江の島植物園改修工事のため閉園
2002年(平成14年)になると、江の島植物園の老朽化・不朽化が目立ちはじめ、改修工事が開始されます。このため一時閉園。
2002年(平成14年)5月
江ノ島電鉄は同社開業100周年記念事業として新たに「新江の島展望灯台」の建設に着工す。
新灯台の建設コンセプト
江ノ電の公式サイトによれば次のような記載がみえます。
【景観・自然への配慮】【公共的な利用価値の追求】【地域の観光振興】
現在の江の島灯台(2代目/通称:江の島シーキャンドル)
- 用途:観光用民間灯台、展望台、店舗、郷土資料館
- 設計者:清水建設
- 構造設計者: 清水建設
- 施工:清水建設
- 建築主:江ノ島電鉄
- 事業主体:江ノ島電鉄
- 管理運営:江ノ島電鉄
- 構造形式:鉄筋コンクリート構造
- 鉄骨構造:延床面積
- 展望室屋内:122㎡
- 展望室屋外:160㎡
- 高さ:59.8 m(避雷針まで)(海抜119.6m)
灯台部高さ:46.8m(海抜106.6㎝)海面から120m
光達距離:46㎞(民間灯台としては国内最大級)
展望フロア高さ:41.7m(海抜101.5m) - 主要構造:鉄骨造
- 着工:2002年5月
- 実効光度:390,000カンデラ(単閃白色が毎10秒に1閃光)※23.0海里(46km・民間灯台としては国内最大級)まで届く。
- 竣工:2003年6月
- 開館開所: 2003年4月29日
- 受賞歴:第48回神奈川建築コンクール一般建築部門奨励賞
2002年(平成14年)12月
同年12月31日、江ノ島電鉄開業100周年記念事業のフィナーレとして点灯式が開催される。新灯台の初点灯。
2003年(平成15年)1月、江の島展望灯台がオープンす
2003年(平成15年)1月1日 : 新たな江の島灯台が初点灯し、位置・等級・灯質の変更が行われる。
位置:北緯35度17分59秒 東経139度28分42秒、塗色および構造:白色やぐら形、光度:実効光度39万 カンデラ、高さ:地上から構造物の頂部まで60 m・平均水面上から灯火まで107 m。
実は新しく建てられた2代目の灯台は初代の灯台の隣地に建てられていたので、完成後、初代の灯台(旧平和塔)は取り壊されることになり申す。
建て替え期間中に限り見られた新旧展望台のツーショット(右側が初代の江の島灯台) 画像引用先:江ノ電
2003年(平成15年)4月29日
江の島観光灯台として展望台が開業。
2003年(平成15年)10月28日
第48回神奈川建築コンクール一般建築部門「奨励賞」を受賞。
受賞理由
建設コンセプトに沿わせて、尚且つ、グラスを彷彿させるその独特な形状と色などのデザイン性が評価された。
2010年10月5日(火)『江の島シーキャンドル』が誕生す
2010年7月1日~8月30日より、所有者である江ノ島電鉄は、江の島展望灯台の愛称を全国に募集し、約1千通の愛称が寄せられます。
その中から、海老根靖典藤沢市長、二見幸雄同市観光協会長、ふじさわ観光親善大使の「TUBE」らが選考し、『江の島シーキャンドル』と命名され申す。
江の島シーキャンドルの名称の由来
(1)江の島展望灯台の独特の形状を表現
(2)環境に配慮した同灯台のコンセプトに合致
(3)江の島、海(シー)、灯台(キャンドル)と特徴を網羅
(4)親しみやすく覚えやすい
…etc
なお、命名者は3名で代表者は地元・藤沢市在住の個人。
江の島シーキャンドルに付随する施設
エレベーター
入苑券と別売の昇塔券が必要。セット券もあり。
想定最大収容人数は188名。
展望台
館内全体で遮られることのない360度の展望が楽しめる。
江の島展望灯台サンセットテラス
「カフェ・ドゥ・ガボ」が営業する。時折ライブなどのイベント会場となる。
グッズショップ「デルフィス」
小物類や江ノ電グッズを販売。
藤沢市郷土資料館
展望灯台の根元にあり、旧灯台の資料や江の島の古写真などが展示されている。
江の島シーキャンドルで常時行われているイベント・行事
ライトアップ
平日の営業は17時までだが、土休日は20時まで開かれ、折に触れて発光ダイオード(LED)によるライトアップが行われる。
季節ごとに行われる江の島シーキャンドルで行われるイベント・行事など
- 1月1日 – 江の島展望灯台から見る初日の出(予約制)
- 2月中旬 – バレンタインアイランド江の島
- 3月 – 湘南江の島春まつり
- 4月6日 – ダイヤモンド富士(江の島展望灯台閉業時刻延長)
- 5月 – 江の島フラワーフェスタ
- 5月 – Freedom Sunset(サンセットテラスでのライブ)
- 5月 – MADE in 江の島(さまざまなジャンルのアーティストによるアート展)
- 5月 – ALOHA Sunset(サンセットテラスでのライブ)
- 8月 – 江の島花火LIVE(サンセットテラスでのライブ)
- 8月 – 江の島ゆかた祭り
- 8月 – ENOSHIMA ISLAND JAM(サンセットテラスでのライブ)
- 8月 -江の島灯籠まつり
- 9月6日 – ダイヤモンド富士(江の島展望灯台閉業時刻延長)
- 9月 – 子供達の描く絵を光と映像のアーティスト集団OVERHEADSの巨大コラージュ
- 10月 – 湘南江の島秋まつり
- 11月 – 湘南キャンドル
- 11月下旬 – 湘南の宝石:1999年11月に開催された旧江の島展望灯台(現江の島シーキャンドル)ライトアップを前身に、2019年で20回目を迎えた光のフェスティバル(関東三大イルミネーションのひとつ)
- 12月 – 江の島ファンタジー