江島神社「辺津宮(本殿)」の御朱印・境内見どころ(茅の輪・むすびの樹・境内社一覧)
江島神社は江ノ島全体が境内と言えますが、見どころと呼べるエリアは、ほとんどこの本殿が鎮座する「辺津宮エリア」に集中しています。
そこでまずは辺津宮の簡単な概要と御朱印をご紹介し、その後に辺津宮に伝わる伝説や、境内見どころとして茅の輪、むすびの樹の参拝方法等について細かく解説します。
これで江島神社のメインとも言える江島神社・辺津宮のすべてがわかる!
ぜひ最後までご覧ください。
※金運と恋愛運をアップする!? 辺津宮の注目スポット、奉安殿と銭洗白龍王につきましては、当サイトの「江島神社「奉安殿・銭洗白龍王」」をご参照ください!
江島神社・辺津宮
読み方
へつみや
別名
下之宮(しものみや)
造営年
1206年(建永元年)
再建年
1675年(延寶3年)
改修年
1976年(昭和51年)・・・社殿新築
屋根の造り
権現造
ご祭神
田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)
辺津宮(本殿)の御朱印の種類
本殿の御朱印は、もっとも数が多く、以下の5種類の御朱印を授与されています。
①江島神社三宮総称の御朱印日本三大弁財天の御朱印
②日本三大弁財天の御朱印
③辺津宮の御朱印
④江島大明神の御朱印
⑤八坂神社(辺津宮の末社)蘇民将来の御朱印
江島神社三宮総称の御朱印
江島神社は辺津宮・中津宮・奥津宮の3社を総称して「江島神社」と呼称します。故に三社総称の御朱印です。
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:辺津宮前の授与所
日本三大弁財天の御朱印
日本三大弁天を誇示した御朱印です。江島神社は日本三大弁天の一角です。
日本三大弁天一覧
- 宮島・大願寺(広島県宮島)
- 竹生島・宝厳寺(琵琶湖の北部の小島)
- 江島神社(江ノ島)
弁財天はもともとは神仏習合時代の名残を残す仏教の守護神です。したがって現在に至っても寺院と神社で祀られています。
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:辺津宮前の授与所
辺津宮の御朱印
辺津宮の御朱印です。
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:辺津宮前の授与所
江島大明神の御朱印
汚い字を書きやがって‥とか、思っちまぃひゃすが、これは後宇多天皇の御宸筆による宇多天皇の字体になります。
「江島大明神」と書かれています。
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:辺津宮前の授与所
八坂神社(辺津宮の末社)蘇民将来の御朱印
辺津宮の境内末社である八坂神社の御朱印です。蘇民将来とは八坂神社の御祭神である「スサノオ命」に由来した伝説になります。
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:辺津宮前の授与所
※江島神社の御朱印について詳しくは、当サイトの「【限定御朱印もあった!?】江島神社の御朱印の「種類・初穂料(値段)・授与場所・授与時間など」」でご紹介しています。
辺津宮の境内見どころ
辺津宮の巾着型賽銭箱に注目!
辺津宮の賽銭箱は、巾着型のちょっと変わった形をしています。
この賽銭箱は、「相模彫り」という地元特有の堀りかたでできているもので、お賽銭を入れるときれいな音が鳴るようにできています。
1959年(昭和34年)に、地元の商店が奉納しました。
制作者の名前は、北海道出身の鏡碩吉(かがみけんきち)氏となっています。
辺津宮の扁額(へんがく)
辺津宮にはカラフルふるふるコノヤローな極彩色の扁額が飾られています。あまり上を見る方はいないと思いますが、ちょうど賽銭箱に上あたりにありますので、ぜひ!参拝された際は上を見ておいてください。
海に囲まれた江ノ島の鎮守社らしく海をイメージさせる水色を基調として彩色されています。金文字の「辺津宮」とのコントラストが映えます。
辺津宮の境内社一覧
辺津宮・八坂神社
- 創建年:不明
- 再建年:1844年(弘化元年)、2001年(平成14年)
- 御祭神:建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこ)
- 建築様式:入母屋造
- 屋根の造り:銅葺
- 社格:江島神社・末社
- 例祭:江ノ島天王祭(毎年7月中旬)※別名:神幸祭
御由緒(歴史)
江戸時代には「天王社」として祀られており、1873年(明治6年)に「八坂神社」と改称されています。
現在の社殿は2001年(平成13年)に改築されたときの姿です。毎年、7月第1日曜日〜第2日曜日には神奈川の祭り50選に列する「江ノ島天王祭」が執り行われています。
御神体は、珍しい建速須佐之男命の木造の神像で、かつては対岸の腰越・小動神社に祀られていたものです。しかし、時代を下る過程で大波で流されており、付近の漁師が見つけて拾い上げ、この辺津宮に祀られています。なんでも御窟(おんいわや)の前の海中に沈んでいたそうです。
神幸祭(天王祭)
この八坂神社の例祭・天王祭(神幸祭)は、世にも珍しい海中神輿渡御として知られており、湘南の江ノ島の熱い夏を告げる風物詩の1つです。湘南唯一の夏祭りでもあります。
神輿は勇ましい素っ裸の男連中に担がれ、対岸に鎮座する「腰越の小動神社(こゆるぎじんじゃ)」まで渡御します。天王囃子も登場し、さらに演出を盛り立てます。
御祭神は当神社と同じ御祭神である建速須佐之男命に拝します。年にたった1年に1度だけ夫婦が会える時であるというロマンチックな祭礼でもあります。ムフぅぅぅ〜ん♡
辺津宮・秋葉社と稲荷社
- 創建年:不明
- 再建年:2001年(平成14年)
- 御祭神:(とようけひめのみこと)、火之迦具土神(ほのかぐつちのかみ)
- 建築様式:入母屋造
- 屋根の造り:銅葺
- 社格:江島神社・末社
御由緒(歴史)
八坂神社の隣にあるです。主に江戸時代より秋葉稲荷・与三郎稲荷・漁護稲荷など、江の島内に鎮座していた祠が合祀されています。
江戸時代、江ノ島内や周辺で火事が多かったことから、火難除けの意味合いで江ノ島内の祠を移動して合祀したと伝えられています。
秋葉稲荷社の扁額
素木状の木板に「秋葉社」「稲荷社」と彫り込まれ、周囲を赤色の塗装が施されている。
弁天池?龍神池??
龍神は弁財天の神使という信仰がありますが、この江ノ島では古くから龍神は弁財天の夫神として財宝福徳の利益をもつとされ、厚い崇敬が寄せられています。
龍神は水辺に鎮まる神であり、古来、気象を司る国土安泰の神でもあります。この池では弁財天の夫神である「銭洗白龍王」を祀っています。
⬆️龍神像のアップ(遊園地のお化け屋敷の横あたりにありそうな像)
以下にこの摩訶不思議な池の淵に看板が立てられていましたので、内容を載せておきます。
看板の内容
弁財天の神使「白龍王」は高さ3メートル、相模彫り師「鏡 碩吉」氏の苦心の作であり、水源には徳力製の純金の小判が秘められています。(※注釈※ 上述、北海道出身の鏡碩吉(かがみけんきち)氏)
黄金水のご利益
古より、この黄金水のご利益として以下のような内容が伝えられています。
- 健康に良い
- 運が開ける
- 声が良くなる
- 美しくなる
江島神社は日本三大弁天の1つであり、関東におけるもっとも信仰心の篤い江島弁天の神使である白龍王です。
御玉よりほとばしる霊水を頂戴し、ご利益をうけられるようお祈りしましょう。
銭洗い白龍王
この黄金浄水で心とお金を洗い清めお詣りいたしましょう。
奉安殿(弁天堂)【神奈川県重要文化財】
辺津宮の拝殿(本殿)を向かい見て左脇にある八角のお堂です。弁天堂の通称で親しまれていますが、内部に仏像が安置(奉安)されることから正式には奉安殿(ほうあんでん)と呼称します。
内部には神奈川県重要文化財の指定を受けている「八臂弁財天(はっぴべんざいてん)」と日本三大弁財天の1つとして有名な「裸弁財天の妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)」が安置されています。
江戸時代、この江島弁財天には多大な崇敬が寄せられており、「江の島詣」の語源ともなったほど江ノ島のシンボル的な仏像でした。
弁天堂(奉安殿)の拝観料金・拝観時間
- 拝観料金:大人200円 中高生:100円 小学生:50円 小学生未満:無料 (25名~団体割引)
- 拝観時間:午前8時30分~午後4時30分
関連記事:江島神社「奉安殿・銭洗白龍王」
辺津宮の鳥居
中津宮側の出入口には辺津宮の大きな銅鳥居と狛犬が見えます。
まさにここが江島神社の本殿だぞ!‥と言わんばかりの豪壮感ただよう立派な鳥居です。
茅の輪
くぐることで御利益を得られる茅の輪。辺津宮の正面に位置しています。
単にくぐれば良いというのではなく、茅の輪には正式なくぐり方があります。
辺津宮の茅の輪の由来とくぐり方
「茅の輪(ちのわ)」とは、名前のとおり、茅(ち=「ちがや」という植物)を大きな輪に束ねたものです。
茅の輪は、江島神社への参拝前にくぐるのが正しいとされています。
なぜなら、茅の輪をくぐることによって、穢れ(けがれ)が落とされ、身を清めることができるとされているからです。
江島神社の茅の輪のくぐり方
- 茅の輪の前に立ち、軽く礼をする
- 左足を茅の輪に入れ、そのまま輪をくぐって左側にぐるりと回り、元の場所(茅の輪の前)に戻る
- もう一度、礼をする
- 右足を茅の輪に入れ、そのまま輪をくぐって右側にぐるりと回り、元の場所に戻る
- もう一度、礼をする
- 左足を茅の輪に入れ、輪をくぐったまま左向きに輪の外へ出て、その後、神前(辺津宮)にお参りする
意外にも、茅の輪は1度くぐるだけではダメで、合計3度もくぐるものなのです。
知らずに訪れてしまい、あまり清められないまま神前にお参りする方も多いようですので、ぜひかっこいい参拝の仕方を覚えて彼女にレクチャーしてあげましょう。
むすびの樹
辺津宮の境内にあるご神木。
縁結びのパワースポットとして知られる大銀杏です。
むすびの樹に願掛けをすると、縁を結ぶことができると言われています。願掛けに使われるのは「恋結び縁結び絵馬」です。
願掛けの方法や、この絵馬につきましては記事下方でご紹介します。
むすびの樹の木看板の内容
2つの絆が1つの根で結ばれる
この大銀杏に肖り(あやかり)2つの心を1つに結び良縁を成就させましょう
むすびの樹に縁結び祈願する方法(やり方)と御利益
辺津宮のご神体でもある「むすびの樹」は、社殿を出て右側へ少し進んだ方向にあります。
「むすびの樹」と言われるゆえんは、このイチョウの樹が、2本の樹木が1本に集まっている(ように見える?)から。
このむすびの樹の下部に、辺津宮の絵馬を結びつける場所があります。
恋むすび縁むすび絵馬を購入しよう!
江島神社辺津宮の絵馬「恋むすび縁むすび絵馬」を購入しましょう。
「恋むすび縁むすび絵馬」には、
- 片思いの恋
- 思い描く人との出会い
- 平凡すぎて何か足りない人に
- 絆を強くしたい人に
- 心から信頼し合える人に
- しあわせになりたい人に
- 心を和ませたい人に
‥と書かれています。
恋愛に関するもろもろの願いを叶えてくれる、パワーアイテムなのですね。
この縁結び絵馬ですが、「既婚なので書けない」「付き合っている人がいるから」等の理由で、せっかく江ノ島を訪れたのに絵馬奉納をしなかった! という人が大勢います。
しかし、これは間違いです。
付き合っている人がいても、夫や妻がいても、その大切な唯一無二の相手と幸せなピンクの絵馬を奉納し、お互いの愛情を確かめあってください。
すてきなお付き合いに、すてきなご夫婦に、江ノ島の女神がきっとご加護をくださるでしょう。
絵馬「恋むすび縁むすび絵馬」
- 値段:1枚500円
- 販売場所:「むすびの樹」の向かい側
辺津宮の場所(位置)
江島神社の境内は、江ノ島全体に及びます。
その境内の中で、辺津宮は最中心部に位置しています。
江ノ島の入口から近く、いっとう目立つ「朱の鳥居」から、徒歩でおよそ3~5分で到着します。
江島神社と「辺津宮」の歴史・由来【年表あり】
江島神社の辺津宮は、慈覚上人良真の発願によって、源実朝の後ろ盾により、1206年(建永元年)に創建されました。
そもそも、江島神社の歴史自体は、『江島縁起』によれば、552年(欽明天皇13年)に端を発します。
そんな江島神社創建の歴史について、年表形式で見ていきましょう。
552年(欽明天皇13年)4月12日夜~23日朝 大地が鳴動し、天女が十五童子を従えて出現し、江ノ島を造営。神託(神宣)によって欽明天皇の詔勅が出され、「島南の竜穴(『江島縁起』原文ママ。現在の江の島岩屋)」に社殿が造営される
700年(文武天皇4年) 役小角(えんのおづの。修験者、生634年~没701年)が岩屋の社殿に参籠。神託により修験霊場を開く。その後泰澄(たいちょう)、道智(どうち)、弘法(こうぼう)、安然(あんねん)、日蓮(にちれん)といった数々の名僧が修行し、神徳を得る
814年(弘仁5年) 空海が岩屋本宮を創建(ほぼ同時に、本宮/現在の奥津宮が創建されたと推定される)
853年(仁寿3年) 慈覚大師が上之宮(現在の中津宮)を創建
1182年(養和2年)4月5日 源頼朝が江島神社へ赴く。高雄山神護寺の文覚上人が弁財天を勧請、藤原秀衡調伏の儀を執り行う(『吾妻鏡』より)。このとき、源頼朝が八臂弁財天と、奥津宮の石鳥居を奉納
1206年(建永元年) 慈覚上人良真が源実朝の力を借りて下之宮(辺津宮)を創建
1274年 元寇・文永の役
1275年(建治元年)9月23日 後宇多天皇が元寇を退けた御礼として「江島大明神」の勅額を奉納
1281年 元寇・弘安の役。
1600年(慶長5年) 徳川家康が参詣
1649年(慶安2年) 神仏習合により金亀山与願寺(きんきざんよがんじ)と号する
1675年(延宝3年) 辺津宮再建
1868年(明治元年) 神仏分離。仏式を全廃、純神道「江島神社」と称する
1970年 奉安殿創建
1976年(昭和51年) 大改築によって辺津宮の社殿を新築
年表形式で江島神社と辺津宮の歴史、由来を見てきました。
江の島という島そのものが、天女のご神徳によって作られたものであることがわかります。
その後、戦乱の世においては戦勝の女神として鮮やかな霊験をあらわし、江戸時代以降は財宝と芸術、音楽と知恵の神として信仰されました。
江島神社辺津宮(下之宮)御由緒
土御門天皇の御代 1206年 源実朝が創建
弁天堂には日本三大弁財天の妙音・八臂弁財天御尊像を始め十五童子像・後宇多天皇の勅願・弘法大師の護摩修法による弁財天像他が奉安されている 宗国伝来の古碑・福石・白龍銭洗池・御神木の結びの樹などがあり、八坂神社・秋葉稲荷社が境内社として鎮座する。
辺津宮の御祭神「田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)」とは?
辺津宮のご祭神、「田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)」は、「多岐都比売命」と表記されることもあります。
一般的には、宗像三女神の一柱として数えられる女神です。
宗像三女神とは、アマテラスとスサノオの誓約においてスサノオから生まれた、
- 市杵嶋姫(いちきしまひめ)
- 湍津姫(たぎつひめ)
- 田霧姫(たぎりひめ)
の三柱の女神のこと。女神たちの名前や表記には諸説あります。
江島神社においては、この三女神を、
- 辺津宮・・・田寸津比賣命(たぎつひめ)
- 中津宮・・・市寸島比賣命(いちきしまひめ)
- 奥津宮・・・多紀理比賣命(たぎりひめ)
の3ヶ所にそれぞれお祀りしています。
田寸津比賣命の御利益は?
田寸津比賣命は単体でお祀りされることはほとんどありません。
常に、「三女神」として、他の女神とセットで祀られている神様です。
神様の性格として、
- 海の女神
- 財福の女神
- 芸ごとの女神
- 交通、運輸の女神
といった性格を持ち合わせており、これによって、
- 交通安全、海上交通安全
- 豊漁、商売繁盛
- 金運アップ
- 知恵
- 子孫繁栄
- 戦勝
- 芸、音楽、弁舌
などの御利益を期待できます。
神仏習合によって弁天様と習合した女神
田寸津比賣命をはじめとする三女神は、古くは三柱あわせて「江島明神(えのしまみょうじん)」と呼んでいました。
しかし、御利益の重複から、仏教と習合するにあたって弁財天と同一視され、後世になって「江島弁天」等と呼ばれるようになりました。
源頼朝が八臂弁財天を奉納していることから、頼朝の頃には既に、弁財天信仰が確立していたことがわかります。
ただし、庶民に弁財天信仰が浸透し、多くの人が江島神社を訪れるようになったのは江戸時代以降であると言われています。
辺津宮は江島神社ナンバーワンの恋愛成就パワースポット!
江島神社全体が、恋愛成就のパワースポットと知られていますが、その中にはいくつかのパワースポットポイントがあり、辺津宮は間違いなくその1つです。
江ノ島へ訪れた際は、ぜひ辺津宮で恋愛成就、付き合っている人との進展、夫婦のしあわせを祈願してくださいね!
※金運と恋愛運をアップする!? 辺津宮の注目スポット、奉安殿と銭洗白龍王につきましては、当サイトの「江島神社「奉安殿・銭洗白龍王」」をご参照ください!
江島神社の問い合わせ先
住所:藤沢市江の島2-3-8
TEL:0466-22-4020
江島神社へのアクセスは、当サイトの以下の記事をご覧下さい。