鶴岡八幡宮には年に2回開園するぼたん庭園(ぼたん園)があります。
白、ピンク、紫、黄色など、色とりどりのぼたんが約1000株も植えられたぼたん園は、正月と春の名物となっています。
こちらのページでは、そんな鶴岡八幡宮のぼたん園の開園期間や入場料などの拝観情報、ぼたんの見ごろ、園内の見どころなどをご紹介しましょう。
項・一覧
鶴岡八幡宮・ぼたん園の歴史・概要
鶴岡八幡宮の「神苑ぼたん庭園(ぼたん園)」は、1980年(昭和55年)に、鶴岡八幡宮の創建800年を記念して造園された、回遊式(廻遊式)庭園です。
境内の源平池の南側から東側にかけてのほとりに造られたぼたん園には、約100品種・1000株のぼたんが植えられ、ぼたんの花を池の眺望と共に楽しむことができます。
景石(けいせき)、御簾垣(みすがき)、杉苔などを用いて整えられた園内は、ぼたんが見られるというだけでなく、日本庭園としても風流です。
鶴岡八幡宮のぼたん園は、冬ぼたん(正月ぼたん)が咲く1月~2月と、春ぼたん(鎌倉ぼたん)が咲く4月~5月に開園します。
ぼたんにはそれぞれ品種名の札があるので、花の美しさと共に、「白神」「貴婦人」「新七福神」など、個性豊かなネーミングにも注目して見てください。
景石とは
日本庭園で見た目を整え、趣を添えるために所々に配する石。捨て石とも呼ばれます。
御簾垣とは
御簾とはすだれのことで、御簾垣とは、細い竹を横向きに積み上げてすだれのように作った竹垣のことです。
【2024年】鶴岡八幡宮・ぼたん園の開園期間・見ごろ時期・開花状況
「冬ぼたん(正月ぼたん)」
開園期間
- 1月1日~2月中旬頃
見ごろ時期
- 1月中旬~2月中旬頃
※3月上旬まで開園していることもあります。
※開園期間と見ごろ時期は、気候等により若干ずれる場合があります。
冬ぼたんは、春に咲くはずのぼたんを温室で育てて開花時期を調整したもので、正月ぼたんとも呼ばれています。
霜・雪よけの藁囲いを被った、どことなくかわいらしい雰囲気の冬ぼたんが見られます。
雪が積もった時は、雪の純白と、ぼたんの濃淡様々なピンクや紫のコントラストが美しく、足元の悪い中でも、多くの見物客が訪れます。
「春ぼたん(鎌倉ぼたん)」
開園期間
- 4月上旬~5月上旬頃
見ごろ時期
- 4月上旬~4月下旬頃
※3月下旬から開園していることもあります。
※開園期間と見ごろ時期は、気候等により若干ずれる場合があります。
春ぼたんは、冬ぼたんに比べて大ぶりな花を付けます。
この時期のぼたんは藁囲いではなく和傘を被って、古都・鎌倉にふさわしい、艶やかで風流な姿を見せてくれます。
4月上旬には、源平池の桜を背景にぼたんを観賞することもできます。
⬆️桜の時期のぼたん園の様子
ぼたんの開花状況を確認するには?
鶴岡八幡宮のホームページにある「開花情報」を見ると、現在見ごろになっているぼたんの花の写真や、いつ頃まで楽しめそうかの情報がわかります。
より詳しく確認したい場合は電話にてヒアリングしてみてください。
【補足】ボタンの見頃の定義
ボタン園にはボタンの開園時期や開園期間がワザワザ設けられていることからも拝察できる通り、期間中すべてが見頃です。
ただ、写真撮影される場合、よりキレイに撮りたいのが人の本心というもの。
そこでキレイなボタンを撮影するために訪れるベストな日をご案内しておきましょう。
- 期間中の前後1週間を外す。
- 雨が降った翌日はボタンが萎む(しぼむ)ので避ける。
- 前日の気温が低ければ(寒ければ)翌日、ボタンが萎む可能性が高い。
- 同じ時期に咲くボタンの中にも早めに咲くものと遅めに咲くものがあり、一度咲くと花がもつのは1か月足らず。つまり、開園期間中にすべての花を見られるわけではない。
‥‥‥以上っ!ですが、ただボタン園は管理を受け持つ専門の係員がいますので、極端にシボみきったボタンは取り替えたりされています。したがって、極端に見栄えは悪くはならないと思いますが、写真写りにコダわるコダワリ割引コノヤローな方は上記で挙げた点を留め置いてください。”コダワリ割引”…てどゆ意味や?
鶴岡八幡宮・ぼたん園の拝観時間・入場料・場所など
開園時間
- 9時~16時30分 ※入場は16時まで
入場料(入園料)
- 大人500円、中高生以下200円
※同伴の小学生以下は無料
団体割引料金(25名以上の団体)
- 400円
場所
- 源平池(源氏池の方の南~東側の池畔)
※平家池の方ではありません。
三の鳥居をくぐったら見える左右の池は「源平池」と呼ばれているが、実は太鼓橋の橋下を通してつながっている。
厳密には右脇が源氏池。左脇が平家池とそれぞれ名前が付されている。
ぼたん園の出入口
ぼたん園には出入口が2つあります。
太鼓橋手前の右側
1つは境内正面の三の鳥居をくぐってすぐ、太鼓橋手前の右側です。
「齋館(さいかん)」の脇
もう1つは、東鳥居手前の「齋館(さいかん)」の脇にあります。
鶴岡八幡宮・ぼたん園の混雑状況
鶴岡八幡宮は言わずと知れた一大観光スポットとなっており、普段から多くの参拝客が訪れています。
特に冬ぼたん(正月ぼたん)が見られる1月上旬は、初詣や成人式と時期が重なりますので、境内はいつもに増して大混雑となります。
三が日で約250万人の人出があるということで、混雑のピーク時には参道が人でいっぱいになり、なかなか前に進めないほどです。
一方、ぼたん園は参道から外れた場所にありますし、入場料もかかりますので、初詣客でおしくらまんじゅう状態の境内ほどには混雑しません。
団体客がいる場合はやや動きづらく感じるかもしれませんが、通常は、混んでいても、ゆっくりと前に進みながら、立ち止まって写真を撮る余裕は十分にあります。
なお、雪が積もった時は参拝客の足は遠のきがちですが、ぼたん園は、大勢のカメラマンで混雑します。
冬・春それぞれ1か月程度の開園期間ですので、多少の混雑には臆せず、ぜひぜひ、お出掛けください!
鎌倉鶴岡八幡宮の正月ってどんな感じ?初詣情報「混雑・渋滞状況(参拝待ち時間)、車(交通規制・駐車場)・人出(参拝者人数)・屋台(種類)」など
鶴岡八幡宮・ぼたん園の見どころ
鶴岡八幡宮のぼたん園の、ぼたん以外の見どころをご紹介します。
WCぅい〜
まず、トイレのご紹介を。なぜトイレかというと、和のテイストがてんこ盛り且つ、まるで現代風の茶室トイレの意匠が見事としかいえない出来栄えだからでゴザる。
⬆️まるで茶器のような陶器の小便器。これに茶を注いで飲める?しかし、この形状の小便器はレア!レアバターチーズケーキ ..意味不明
湖石の庭
園内には、「湖石の庭」という庭園が造られています。
中国蘇州市園林管理局・同蘇州市古典園林建築公司の造園技術者が、古くから「奇石」と呼ばれ珍重された「太湖石(たいこ)」という天然石を使って作庭したものです。
太湖石は、中国江蘇省の「太湖」の底から採掘される穴の多い奇妙な外観の石でゆえに「太湖石」と呼ばれます。現地では国宝級の名庭に数多く用いられています。
しかしながら現在は中国の天然記念物に指定されているため、国外へは持ち出せなくなっています。
鶴岡八幡宮ぼたん園の太湖石は、1984年(昭和59年)に日中両国の友好を願い、当時の駐日中国大使夫妻の計らいで寄贈されたものです。
太湖石がボタン園に置かれている理由
日本では古来、「牡丹は花の富貴なるものなり」として「玉堂富貴」という言葉がありまする。
「富貴(ふき)」とは金持ちや地位が高いことを意味する言葉ですが、大輪の花を咲かせる牡丹は「花の王様」とも称され、牡丹の異名でもありまする。
玉は「玉蘭」、堂は字音の「棠」を用いて「海棠(かいどう)」を意味しまする。
これらの他に白木蓮を牡丹を組み合わせた構図の南宋画は、江戸の文化人の間で大流行し、それが現代にまで踏襲されています。
石筍
ぼたん園の北側にある斎館(さいかん)に向かって行く道沿いには、石筍(せきじゅん)と呼ばれる奇石が配されています。
その名の通り、竹と共に植樹し、石を筍(たけのこ)に見立てたものですが、小さな樹氷のような形にも見えます。
表面にぶつぶつと凹凸があり、その見た目から「魚鱗(ぎょりん)石」とも呼ばれています。
石筍は太湖石と同じく中国の奇石で、1994年(平成6年)、中国江蘇省人民政府から「湖石の庭」の10周年と、齋館の竣工を記念して寄贈されました。
※通常、鍾乳洞などの洞窟の天井の水滴が底面に蓄積して伸びた鍾乳石のことを石筍と呼びます。
呉竹(くれたけ)と漢竹(かわたけ)
上記、斎館側の出入口付近には木柵の囲いの中に「呉竹」・「漢竹」が植樹されています。
これは京都御所「清涼殿」の庭内にある源氏垣に植樹された呉竹・漢竹を模して植樹したものでゴンす。
呉竹(左)は別名で「布袋竹」とも呼称します。
漢竹(右)は東京府中の大國魂神社に伝わる源頼朝卿お手植えの矢竹を株分けしたものです。
齋館
ぼたん園の北の入口横には、「齋館」というお茶処があります。
「齋館」とは献幣使や賓客をもてなす施設で、鶴岡八幡宮が大切なお客様を迎え入れる時に利用されています。
他にも、茶会などが開かれていることもありますが、通常は一般の参拝者も利用でき、1,000円でお抹茶と季節のお菓子がいただけます。
齋館には庭園があるのですが、入館しないと見えないので、鶴岡八幡宮に参拝の折、機会があれば、ぜひ、立ち寄ってみてください。
内部からは斎館の庭園を観ることができますが、ボタンを間近で見ることは叶いません。また、位置的に源平池を観るのも困難です。
※営業日かどうか確認したい場合は、鶴岡八幡宮にお問い合わせください。
斎館の営業時間・定休日
2021年4月現在、コロナ感染拡大防止対策により土日祝日のみ開園。
営業時間は10時〜16時までに変更になっています。
詳細は鶴岡八幡宮公式サイトでご確認ください。
牡丹園と桜
⬆️園内には上掲写真のような赤シートの座席が随所に設けられているので花見をゆっくりと楽しむことができる。
⬆️散り落ちた桜とボタンの構図が見事!ここで座って飲む日本酒、絶対マイウっ
ボタン園の紅葉
‥‥紅葉時期に開園していれば良いのですが‥残念無念っ!冒頭で書き述べたように現在のところ、ボタン園は春と冬のみの開園!
ところで・・牡丹(ぼたん)とは?「牡丹の歴史や由来・特徴」をご紹介!
ぼたんは「花の王様」とも言われ、「おいちょかぶ(花札)」にも登場するほど有名、かつ、長年愛されてきた花です。
ぼたんは、もともと中国に生息する花で、紀元前100年頃の中国では「花神」や「花王」と呼称されて栽培され、「万能の花」として「画材」「香料」など様々な用途に利用されてきました。
その中でも特に「薬」として「痛み止め」や「消毒の効果」があることから、「婦人病の良薬」とも言われたそうです。
牡丹の名前の由来
ぼたんの名前を、「牡」と「丹」に分けて分類することで名前の由来を紐解くことが可能です。
まず、ぼたんは「オシベ」の花粉を「メシベ」に付けて受粉して「花」や「実」がなるといった一般的な花の性質に依存せず、「牡」単独で花を付けることが可能なため、「牡」と付けられています。
一方、「丹」は、赤色の花を付けることが多かったことからで、中国語の「赤色」を表す「丹」が付いています。
これらを合わせて「牡丹」となったわけです。
ちなみにぼたんが日本に伝来した当初は「ぼたん」ではなく「ぼうたん」と呼ばれていたようです。
その後、時代を経るうちに発音が短縮され、「ぼたん」と呼称されるに至ったと言われています。
【補足】牡丹の別名
ナトリグサ、ハツカグサ、ぼうたん、ぼうたんぐさ、富貴草(フウキソウ)、富貴花、百花王、花王、花神、花中の王、百花の王、天香国色、名取草、深見草、二十日草、廿日草、忘れ草、鎧草
牡丹の花言葉
「王者の風格」「風格」「富貴」「恥じらい」「人見知り」
牡丹の開花時期
ぼたんは古くから「春の花」と言われ、開花時期は基本的に4月から6月で、見頃となる時期は4月中旬から5月初旬です。
また、開花している期間も、わずか2週間ほどです。
ただし、鶴岡八幡宮の冬ぼたん(正月ぼたん)のように、冬に花を咲かせる牡丹もあります。
【豆知識】寒牡丹と冬牡丹の違い
どちらも冬の時期に咲く寒ぼたんと冬ぼたんですが、実は、見た目に大きな違いがあります。
それは、「寒ぼたんは枝や葉が冬枯れの状態で花が咲くが、冬ぼたんは葉が茂った状態で咲く」という点です。
寒ぼたんは、遺伝的な性質により1年に2回咲くので、葉が落ちてしまってからも、冬とわかっていて咲く品種です。
一方の冬ぼたんは、春ぼたんを温室などで育て、春が来たと勘違いさせて早く咲かせたものなので、葉も緑色をしています。
ですから、冬ぼたんは寒いのが苦手なので、藁囲いをするなどして、霜対策をします。
牡丹の生態・特徴など
ぼたんは3mほどの樹高を持つ花ですが、園芸店で見られるぼたんは家庭の鑑賞用に品種改良されているので、1mから1.5mと、野生に自生するぼたんの約半分ほどの樹高に収まっています。
ボタン園入園に際しての【注意事項】
- 喫煙は禁止
- 飲食は禁止
- ケメラの三脚使用は禁止 ..ケ、ケメラ?「カメラ」ちゃぅんか?
- ペット連れの入園禁止